
今朝、髪がすんなりまとまりました。
それだけの話なんですけど、なんかちょっと、うれしくて。
洗面所の鏡の前に立って、いつものようにヘアゴムを手首に通して、ざっとひとつに束ねたら。するっと、きれいにまとまったんです。いつもだったら、後れ毛がぴょんって出てきたり、なんか左右が違う感じになったりして、何度もやり直すんですけど。
今日は一発で決まった。
それだけで、「今日はいい日になる気がする」って、思ってしまいました。
根拠、ないんですけどね。
髪がまとまることと、一日がうまくいくことって、たぶん関係ない。仕事でミスするときはするし、電車が遅延するときはする。でも不思議と、あの瞬間に何かがちょっと整った感じがして、「よし」って気持ちになれるんです。
単純だなぁと思います。わたし。
洗面所から出たら、ルナがソファの肘掛けの上に座って、こっちを見ていました。
黒猫のルナは、いつも何かを判定しているみたいな顔をしています。今日は合格か不合格か、みたいな。目が細くて、表情がわかりにくいから、何を考えているのか全然わからない。でも、わたしが近づいたら鼻をちょっとぴくってさせて、また目を閉じました。
それを見て、なんか、ほっとしました。
べつに何もしてくれてないんですけど。
ただそこにいてくれるだけで、「あ、今日も始まったな」って感じがして、それで十分な気がするんです。

支度を終えて、コーヒーを一口飲んで。
今日やることを頭の中でぼんやりとなぞっていたら、また洗面所の鏡のことを思い出しました。髪がまとまった、あの瞬間のこと。
たぶんわたし、「いい予感」をすごく欲しがってるんだと思います。
大きなことじゃなくて、ちゃんと言語化できるものでもなくて、ただの、ちょっとした手応えみたいなもの。「今日はもしかしたらいけるかも」って思える、小さなきっかけ。
髪がまとまること、コーヒーがうまく入れられること、ルナが逃げずにそばにいてくれること。
そういうもので、なんとかなってるな、わたし。
なんてことないことなんですけどね。
じゃあ、いってきます。
あとがき
髪のこと書いたら、書きながらちょっと恥ずかしくなった。でも、本当にうれしかったんだよな。一発で決まった朝のこと、誰かに話したかっただけかも。