なんて事ない話

お腹の音、と、パンの匂いと。

ミオとルナのMorningWords

朝、まだ半分眠っている頭に、いちばん先に届くのは匂いのほうでした。

窓を少しだけ開けていたから、隣のパン屋さんの匂いが、風に乗ってふわっと入ってきて。焼きたてのバターと、ちょっと香ばしい匂い。まだカーテンも開けていないのに、それだけで朝が来たんだなあ、って分かる感じ。

朝のパンと朝の光

布団の中で、しばらくその匂いだけを吸っていました。何も考えずに、ただ「ああ、いい匂い」って。それだけでよかったんです。

そしたら、お腹がぐう、って鳴って。

こんな静かな部屋で、こんなに素直な音が鳴るんだなあって、なんだか自分でびっくりして、ちょっと笑ってしまいました。誰も聞いていないのに、少し恥ずかしくて。でも同時に、ちゃんと生きてるなあ、みたいな、変な安心感もあって。

考えてみたら、最近は「お腹が空いた」をちゃんと感じる前に、なんとなく時間だからって食べていた気がします。予定に合わせて、スケジュールに合わせて。だから今朝、こんなにまっすぐにお腹が鳴ったのが、なんだか久しぶりな気がしました。

起き上がると、ルナが布団の上に乗ってきて、伸びをしていました。わたしのお腹の音になんて興味なさそうに、ゆっくり毛づくろいを始めて。

黒猫の朝のくつろぎ

その姿を見ていたら、なんだかそれだけで満足してしまって。パンを焼くわけでもないのに、匂いを嗅いだだけで、お腹が鳴っただけで、なんだか今日の朝ごはんはもう美味しかったような気持ちになりました。

結局、トーストを一枚焼いただけなんですけど。

それでも、匂いに気づいて、お腹の音に気づいて、ルナのあくびに気づいて。そんな小さな「気づいた」がいくつか重なっただけで、今日はなんだかいい朝だったなあって思えたんです。

理由なんて、それだけで十分な気がします。

じゃあ、いってきます。

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**あとがき**

お腹が鳴った音、録音しておけばよかったな、なんて。誰にも聞かせるつもりないのに、ちょっと思っちゃいました。

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