
朝、会社に行く途中で、ふと足が止まりました。
歩道のコンクリートの、本当に細い隙間。
排水溝の端っこ、みたいなところから、
小さい黄色い花が咲いていたんです。
名前はわからなかったです。
わからないまま、しばらく見てしまいました。
ちょうど朝の光が低い角度から差していて、
その花だけ、なんかスポットライトみたいに明るくて。
周りはふつうの歩道で、人も通っていて、
バスの音も聞こえてたんですけど、
その一瞬だけ、なんか時間がゆっくりになった気がしました。
「強いなぁ」って、思ったんです。
なんか反射的に、そう思ってしまいました。
強い、とか。生命力、とか。
そういう言葉が、すぐ出てきてしまう。
でもなんか、その言葉がちょっとだけ、
違う気もして。
コンクリートを割って咲いてやるぞ、
なんて、その花は思ってないだろうし。
ただそこに根っこがあって、
光が当たって、
水分が少しあって、
咲いた。
そういうことなんだろうなぁって。
強いとか弱いとか、あんまり関係ないのかもしれない。
でも、わたしは強いって思っちゃったんですよね。
それはたぶん、わたし自身が今、
ちょっとだけ疲れてるからかな、と思いました。
帰ったら、ルナがドアの前で待っていました。
ルナは返事はしないんですけど、
なんとなく顔を見てくれる気がします。
荷物を床に置いて、しゃがんで頭を撫でたら、
なんか深呼吸できた気がして。

今日のことを、うまく話せるかなと思ったんですけど、
うまく話せませんでした。
ただ、あの花のこと、
あなたにも教えたくなって。
なんでか、わからないんですけど。
もしかしたら、あなたも今日の帰り道、
コンクリートの隙間を見てみたくなるかもしれないし、
ならないかもしれないし。
どっちでもいいんですけどね。
あとがき
こういうの、もっとうまく書けたらいいなぁ。でも、まあいいか。